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糖質制限が胃酸の低下を招く 2015/2/9
私の栄養カウンセリングを受けにこられる女性、特に栄養と健康に興味をお持ちの女性からよく聞かれる質問があります。「先生は糖質制限についてどう思われますか?ダイエットや健康管理には欠かせないと言われてますけど」以前に比べて少なくはなりましたが、相変わらず世の中では糖質制限、スーパー糖質制限がもてはやされているような気がします。
私の答えですが、10歩譲って、重篤な2型糖尿病で、食事管理で圧倒的に血糖をあるレベルまで下げることが可能と思われる人には糖質を一時的に制限することは有効な手段かもしれません。
しかし、多くの生き物のエネルギー源である糖分を、不必要に、むやみやたらに制限コントロールして低下させることは、エネルギーの枯渇もさることながら、ホメオスタシスという平衡維持機能によって、下がった血糖を上昇させるための仕組みにスイッチがはいることになります。
その最大の機能が膵臓でつくられるグルカゴンというホルモンです。グルカゴンは低下した血糖を上昇させるために生産され分泌されます。ここまではまだしも、グルカゴンは単純に血糖を上昇させる作用を持ったホルモンではなく、胃酸の分泌を抑えてしまう働きを持ったホルモンでもあります。また、同時にコルチゾール、アドレナリンも上昇させることになります。
このグラフを見てもらうとわかるように、通常の生活環境における空腹時血糖が90−100mg/100mlだと考えると、空腹から食欲が出始める頃のグルカゴンレベルは胃酸の分泌を阻害するものではありませんが、血糖値が下がるに従ってグルカゴンは上昇し、胃酸の分泌を抑えに入ります。
 

糖質制限食を進めている人の多くが、高タンパク質食をチョイスしているようですが、アミノ酸まで分解するために不可欠なタンパク質分解消化酵素の1つペプシンは、胃酸がで酸度にさらされてはじめてペプシノーゲンが変化して作られる消化酵素です。また、グルカゴンが上昇してアドレナリンが上昇することで、腸内細菌の繁殖は旺盛となり、LGSをはじめとする腸壁からのタンパク質栄養吸収障害にも陥る可能性はぬぐえません。
エラグ酸についてのトピックス 2014/10/27
エラグ酸の持つ癌細胞抑制作用と糖尿病野背景にあるインスリン抵抗性の改善についてです。
エラグ酸には、強力な殺菌作用、特に口腔内バクテリアの殺
菌作用の存在が確認されています。 エラグ酸は、ラズベリー、イチゴ、クランベリー、クルミ、ザクロなどの植物に確認されている、強力な抗酸化作用を持つ化学物質です。
エラグ酸の持つ抗ガン作用については、以前から、皮膚、肝臓、肺
の各がん組織の抑制作用が動物及び人の実験で確認報告されていますが、この数年の間に、イチゴに含まれるエラグ酸による食道がんの予防及び治療補助の効果が、ラットの実験で確認されています。アメリカ癌協会(American Cancer Society)でも、各種組織のがんの予防のために、イチゴ、ザクロ、クランベリーを日常的に食べることは有効であると啓蒙しています。
エラグ酸の持つ抗ガ
ン作用の背景にはいくつか考えられており、1つは強力な抗酸化作用であると考えられています。正常な細胞ががん化した癌細胞は、その者がフリーラジカルと化し、エラグ酸によってその働きを抑えられること。もう1つは、癌細胞に対して直接細胞死(アポトーシス)をもたらす作用があると考えられています。
エラグ酸については、2012年に近畿大学農学部の研究グループ
が、ザクロに含まれるエラグ酸の糖尿病予防さようについて発表しています(ザクロ果汁成分「エラグ酸」に「レジスチン」分泌抑制作用 近畿大学農学部グループが発見、糖尿病予防に役立つ可能性)
研究グループは、ザクロ果汁に含まれる食品成分である「エラグ酸
」が、糖尿病の発症要因となる病態「インスリン抵抗性」の原因分子の1つである「レジスチン」の分泌を抑制する働きを持つことを突き止めました。「エラグ酸」は悪玉の「レジスチン」の分泌を抑制する作用があることをラットの実験で確認しています。
レジスチンは脂肪細胞が作るホルモン様物質で、2型糖尿病の背景
にある、インスリンの働きを抑制させる「インスリン抵抗性」を作り出す原因物質の1つと考えられています。
また、エラグ酸には肝臓の機能を向上、特に化学物質や重金属の排
泄にも作用することも報告されています。
こうして見ると、強力な抗酸化作用を持ち、そのほかにも感染症、
炎症の原因になる抗ウィルス、バクテリア作用、重金属の排泄促進作用、抗がん作用、血糖コントロール改善作用など、現代人の慢性化した症状の背景に、深く関わる原因の予防と症状の改善には、日常的に摂取してもいいほどの機能性素材だと言えると思います。
ビタミンE過剰摂取の論文に対するコメント 2012/4/6
慶応大学の藤田先生を中心とした日本の研究グループが、ビタミンE と骨粗鬆症に関連する研究報告が最近Nature Medicine に掲載され、多くの注目を集めている。本論文は、α-トコフェロール(ビタミンE)の破骨細胞活性に対する働きを探るために実施した、マウスと培養細胞によるいくつかの実験結果について記載している。骨の再形成過程は断続的に行われており、骨芽細胞と呼ばれる骨形成細胞と、破骨細胞と呼ばれる骨吸収細胞との活性バランスで成り立っている。この研究は、破骨細胞の活性が骨芽細胞の活性を上回った時に骨量が減少することと関係している。この研究報告に対して、オランダに本社を置く、ビタミン、特に脂溶性ビタミンでは世界有数のDSM社が異例のコメントを出した。以下参照

「要旨において筆者らは「野生型のマウス、あるいは多くの人々が摂取しているサプリメントと同程度の量のα-トコフェロールを含むα-トコフェロール餌食を食べたラットにおいて、骨量が減少した」と述べている。通常、DSM ニュートリション社は動物実験に関してコメントはしていないが、今回は、メディアが多くの関心を寄せているため、やむをえず何らかの対応をしなければならないと判断をして下記のコメントを公表した。ビタミンE の摂取量と生理作用に関するいくつかのバックグラウンドデータによれば、ヒトにおける現行の食事摂取基準(DRI:Dietary Reference Intakes)は成人で一日当たり約4-15mg であり、耐容上限量は1000mg である。なお、ビタミンE の推奨摂取量の設定は、ビタミンE が不足することで引き起こされる溶血反応に基づいている。ビタミンE には8 種類の同族体が存在するが、米国医学研究所(IOM)によれば、血漿中には、そのうちのひとつであるα-トコフェロールだけが存在している。藤田らの報告に、動物実験の方法が報告されているが、野生型マウスおよびラットは600mg/kg 体重のα-トコフェロールが含まれる餌を摂餌しているようだ。これは高用量であり、70kg のヒトでは42,000mg に相当する。この投与量はDRI の2800 倍に相当し、高用量すぎて非現実的な投与量である。また、筆者らはマウスの通常餌食中に含まれるビタミンE量について報告していない。明らかに、実験に用いられた用量は実際極めて高く、
それは高用量のサプリメントよりも高い。そして、広く設定されているビタミンE の耐容上限量を超えている。また、この結果をどのようにヒトへの有害影響に科学的に関連づけるのか疑問である。この研究報告の詳細は要旨で示唆されている内容とは異なり、投与量はサプリメントから摂取されるα-トコフェロールの量と大きく異なってる。93%以上のアメリカ人が12mg の推奨平均必要量でさえ満たしていない(Fulgoni and associates 社)のに、この実験により、サプリメントから摂取されるビタミンE 量が、健康に対する有害影響と結びつけられたことは残念である。
(DSM ニュートリション社ホームページ記事の和訳)
関連参考情報:
1.日本人のビタミンE 食事摂取基準量(2010 年版):目安量;男性7.0 mg/日、女性6.5mg/日。耐容上限量:男性800 ~ 900 mg/日、女性650 ~ 700 mg/日。
2.国民栄養調査結果に基づくビタミンE(α-トコフェロール)の摂取量は、約10 mg/日。
3.日本における医薬品への1 日最大分量(配合上限量):300 mg
4.日本におけるサプリメントへの配合量は、最大でも医薬品の半量という考え方で製品規格ができている。

自閉症児の重金属と必須ミネラル 2012/4/3
A Journal of Clinical Medicine, Volume 7 No.1 2012でInternational Board of Clinical Metal Toxicologyとエジプトのカイロ大学の合同研究チームによる、自閉症児の毛髪分析から得た知見報告。従来から、自閉症児ではアルミニウム、ヒ素、カドミウム、水銀、アンチモニー、ニッケル、鉛などの重金属の蓄積が多くみられ、それが自閉症症状と不快関係にあることが報告されてきたが、今回の研究では、従来の重金属の蓄積に加えて、自閉症児の多くがカルシウム、鉄、ヨウ素、マグネシウム、マンガン、モリブデン、亜鉛およびセレンの蓄積量が低いことが毛髪分析によって確認され、これらの必須ミネラルが不足の傾向にあることを報告している。

詳細はhttp://www.maedica.org/articles/2012/1/2012_Vol7%2810%29_No1_pg38-48.pdf

経口マグネシウムはぜんそく症状の改善に有効 2010/5/24
筋肉の弛緩作用を持つマグネシウムには、ぜんそくや気管支炎の症状改善作用があることは、従来から多くの研究報告がされている。2010年2月、アメリカのBastyr UniversityKazaks AGらがJ Asthmaで報告した内容によれば、経口によって、1日あたり170mg(Mgエレメント量として)のマグネシウムを摂取することで、中程度以上のぜんそく患者の気管状態と呼吸にポジティブな変化が見られたことを発表している。従来も同様の研究報告はいくつかあったが、いずれも研究のデザイン段階で予想していた効果がなかった報告も多いが、今回の研究報告では、170mgのマグネシウムを1日に2−3回にわけて、6か月半という期間継続摂取させたことが、従来の結果とは異なり、それが患者の症状にポジティブな影響があったものと考えられている。従来、栄養療法だけでなくコンベンショナルなぜんそくの治療には、マグネシウムのIV療法がポピュラーになっているが、今回の報告は、経口によるMgの一定期間継続服用することが有効であるとともに、IVによるMgの投与のフォローにも有効であると考えられる。

Kazaks AG, Uriu-Adams JY, Albertson TE, Shenoy SF, Stern JS. Effect of oral magnesium supplementation on measures of airway resistance and subjective assessment of asthma control and quality of life in men and women with mild to moderate asthma: a randomized placebo controlled trial. J Asthma. 2010 Feb;47(1):83-92.

経皮吸収のメラトニン(Melatonin)が睡眠と皮膚の老化に有効 2010/4/7
不眠だけでなく、最近ではガン細胞の抑制に対する効果が報告されているメラトニンであるが、2008年9月にドイツのLübeck大学医学部皮膚科学研究室が発表した論文によると、皮膚にはメラトニンのレセプターが存在し、皮膚組織の構造とその機能のコントロールにはメラトニンが重要な働きを担っていることがわかった。メラトニンの合成にはセロトニン、その前駆体であるトリプトファンが深くかかわっており、メラトニンの量が不足することが不眠の1因であるが、睡眠のコントロールだけでなく、メラトニンには皮膚の働きにも影響があることがわかった。メラトニンが角質層に浸透し、脂溶性構造になり、皮膚細胞の修復、架橋構築、新陳代謝に対して働くことは、2004年同じくドイツのJena大学皮膚アレルギー研究室が報告している。日本ではいわゆるサプリメントとしては扱うことができないメラトニンであり馴染みが薄いが、皮膚の細胞修復やシワなどの老化の改善に、メラトニンをクリームなどの形状で補充することは効果がありそうだ。また、メラトニンの皮膚への浸透促進を図るためにMSM(methylsulfonylmethane)を加えると有効である。
潰瘍性大腸炎に乳酸菌エネマが有効 2010/1/28

潰瘍性大腸炎は一般に IBDinflammatory bowel disease)と呼ばれることもあり、小腸から大腸にかけて発症する炎症によって引き起こされる。潰瘍性大腸炎は腸炎や腹痛、またIBDの1つでもあるクローン病の症状に似ているため診断が難しい。病理学的に見た場合には潰瘍性大腸炎とクローン病の違いは、潰瘍性大腸炎では炎症が発現する部位が腸粘膜の表面であるのに対し、クローン病では腸壁の深い部分で炎症が発現することである。潰瘍性大腸炎は年齢性別に関係なく発症するが、最も初発症が多い年齢は15−30歳である。家族内に発症者が出た場合に家族内で連鎖的に発症することもある。この背景と考えられているのはウィルス感染との因果関係である。1986年にクローン病は結核菌に類似する好気性菌の感染との因果関係が報告されているが、クローン病とは対照的に潰瘍性大腸炎は、サイトメガロウィルス(CMV)との強い因果関係が報告されている(1) この研究では、潰瘍性大腸炎の発病とCMVの初期感染が深く関係していることが2名の患者の症例によって報告されており(2.3)、潰瘍性大腸炎を発症した患者の多くはクローン病患者および正常人に比べ、有意にCMV抗体価が高いだけでなく、ヘルペスウィルスのDNAが検出されたことが報告されている(1.4) また、正常人に比べ潰瘍性大腸炎には、細胞粘膜への接着能力の高い特殊な表面毛または線毛をもった大腸菌が多数確認されている(5) これら細胞粘膜への接着能力は病原性大腸菌が生息繁殖するための必要条件である。潰瘍性大腸炎患者から採取した病原性大腸菌は、粘膜のムチン性を低下させ毒素を産生することも報告されている。

IBDを発症している患者の血液を採取しウィルス抗体価の検査をした結果、クラミジア抗体価が有意に高く、クローン病患者では93%、潰瘍性大腸炎では45%も対象群に比べ高いことが報告されている(4)

潰瘍性大腸炎患者に対してスーパーストレイン乳酸菌(L.acidophilus DDS-1/B.bifidum/L.bulgaricus LB-51)を経口投与およびL.acidophilus DDS-1のエネマ(1回/週)を1週間行ったところ、潰瘍性大腸炎を含むIBDの治療薬として汎用されているメサラジンによる治療効果と同等の効果を呈した(6) この結果は潰瘍性大腸炎と腸内細菌の因果関係を裏付けるものである。あくまでも仮説ではあるが、サイトメガロウィルスのようなエンベロープを持ったウィルスは潰瘍性大腸炎の発症に先立って抗原性を呈し、また強い粘膜接着性をもった大腸菌や他の腸内細菌は容易に免疫応答不能を誘発するのではないかと考えられる。

潰瘍性大腸炎患者に対する食事療法の研究では、除外食を厳守した食事によって潰瘍性大腸炎の症状緩和に効果があり、加えてタラの肝油などの魚油をサプリメントとして摂取することによって症状緩和効果が上昇することが報告されている(7.8) 多くの臨床家によって低含硫食指導が実践されており、潰瘍性大腸炎の症状緩和に効果があることも報告されている。

1. Farmer GW et al. Gastroenterology 1973; 65: 8
2. Diepersloot RJA et al. Arch Intern Med 1990; 150: 1749
3. Lortholary 0 et al. Eur J Clin Microbiol Infect Dis 1993; 12: 571
4. Wakefield AJ et al. J Med Virol 1992; 38: 183                                                                               5. Burke DA, Axon ATR. BMJ 1988; 297: 102                                                                                  6. Rembacken BJ et al. Lancet 1999; 354: 635                                                                                 
7. Borok G, Segal I. SA Fam Pract 1995; 16: 393
8. Stenson WF et al. Ann Intern Med 1992; 116: 609

低用量ナルトレキソン(LDN)はクローン病にも有効  2009/10/8
最近では日本でもあちこちのクリニックで行われている低用量ナルトレキソンによるがん治療だが、LNDを開発したニューヨークマンハッタンで開業するBernard Bihari,MDによれば、免疫応答システムを刺激しその機能を向上させるLNDは、がん治療だけでなく自己免疫疾患をはじめとする免疫疾患には有効であるという。そんな中2007年4月のAmerican Journal of Gastroenterolに掲載されたペンシルバニア大学の研究グループによるLDNによるクローン病の治療効果に関する報告は興味を引く。(Am J Gastroentero 2007 Apr;102(4):820-8)残念ながら著作権の問題でここでは写真が紹介できないので、以下のサイトでじっくりその効果の画像を見ていただきたい。http://www.lowdosenaltrexone.org/ldn_trials.htm 研究GのチーフであるJill Smith,MDによれば、毎日就寝前に4.5mgのナルトレキソンを12週間投与したクローン病患者において、実に67%の患者が直腸付近のクローン病特有の炎症部位の改善を見ている。LDNはクローン病などのIBDだけでなく、最近日本でも増加しているIBS(過敏性腸症候群)に対しても有効例が多く、イスラエルのDr.Karivらによる研究では、42人のIBS患者に1日あたり0.5mgのナルトレキソンを4週間投与したところ32人に顕著なIBS症状特有の腹痛、便通障害が改善されたと報告している。
コリンとうつ病には明確な相関は見られない 2009/8/31
MITの研究報告などが有名だが、うつ病とコリン(Choline)には正の相関関係があること言われてきた。しかし、2009年8月のAmerican Journal of Clinical Nutritionに発表されたノルウェーのベルゲン大学(University of Bergen)の研究チームの報告によると、不安恐怖症状とコリンには有意な正の相関があるものの、従来のようにうつ病とコリンには有意な相関は見られないようだ。この背景には、うつ病自体が様々な症状の集合体であり、不安恐怖症状もその1つ。今回のベルゲン大学の調査はうつ病の症状の1つでもある不安恐怖症にフォーカスしたことでよりコリンとの関係が明確になったと考える。
Vitamin Dとカルシウムが2型糖尿病の予防に有効 2009/7027
2型糖尿病の予防方法として、ビタミンDとカルシウムの摂取が有効であることがJournal of Nutritionの2009年3月号(J Nutri. 2009 Mar;139(3):547-555.)で報告された。ハーバード大学公衆衛生学研究室の研究グループによるこの報告によると、健康な男女に対して長期間の栄養摂取の検討を行っており、血漿中のCRPを酸化ストレスのメルクマルクとして調査を行った。 アメリカでは2型糖尿病のリスクのマーカーとしてCRPを用いることはポピュラーである。調査の結果、女性におけるカルシウムの摂取量が増えることによって血漿中CRPの低下に影響を与えているが男性ではその影響がないこと、また男性だけにビタミンDの摂取量が増えることによって血漿中CRPが20%低下していることがわかった。研究グループでは明確な原因は不明だとしたものの、カルシウムは本来インスリンの生産および分泌に深くかかわるミネラルで、カルシウムの体内(細胞中)濃度の変化に影響をもたらすかるシムおよびビタミンDの量が食事によって得られた糖分のコントロールをするインスリンの調整に働いているのではないかとコメントしている。
omega -3脂肪酸が閉経前後のホットフラッシュの軽減に有効 2009/7/12
「Menopause」誌の最新号(Menopause 2009.16(2):357-366)でomega-3脂肪酸が閉経前後の女性に多くみられるいわゆるホットフラッシュの症状を改善する効果があることが報告された。40−55歳で重いホットフラッシュ症状を持った120人の女性に対して500mgのomega-3脂肪酸(EPA:350mg/DHA:50mg)カプセルを1日3カプセル8週間連続投与した結果、55%の女性でホットフラッシュ症状が改善された。 同時にプラシボグループでの検討も行ったが、プラシボグループでの改善は25%にすぎなかったと報告している。以前にはイソフラボンとEPA/DHAのコンビネーションによるホットフラッシュの軽減に関する研究報告があり、この際には24週間の連続投与で症状の軽減が報告されているが、今回の報告ではDHA/EPA単独によるものであり、かつ8週間という早期で改善結果がでたという報告でもあることが注目されている。従来の研究ではomega-3脂肪酸には脳神経における体温調整のホメオスタシスにかかわる働きがあるのではないかということが報告されているが、今回の研究報告はそれを裏付ける研究結果の1つである。
ハーバード大学現役教授が執筆のテストステロン補充療法がベストセラーに 2009/6/2
今、アメリカでテストステロンの補充療法(Teststerone Replacement therapies)に関する本が話題になっている。テストステロンの補充療法についてはシアトルにあるTAHOMA CLINICのDr.ライトによってNatural teststeroneを用いたテストステロンの補充療法がこの10年間で普及をしており、また欧米ではテストステロンの補充療法の需要が増えている。今回の書籍「Testosterone for Life」が話題になっているのは、現役のハーバード大学泌尿器科の教授、Abraham Morgentaler,MDが執筆していることだ。従来のイメージでは「医療のエキスパートハーバード大学」からこの手の本は出にくいと考えられてきたことはもちろんだが、内容を見るとしっかりとホルモン補充療法のメリットデメリットを説明したうえで、最新の研究報告を盛り込みながら、中高年男性におけるテストステロン補充療法は理に適っていることと、事前検査やモニター検査を十分に行うことで安全性にも問題はないことを明記していて、十分に参考になる書籍である。ただ、Dr.Morgentalerが「男性はテストステロンが低下することによって寿命が短くなるので、老化抑制のためにもテストステロン補充は有効」と書かれている部分については大方の意見が分かれるところだろう。テストステロン補充を行うに際して必ず取り正されるのは前立腺ケアの問題である。特に前立腺がんを誘発することを論じている書籍や医者は少なくない。しかし、Dr.ライトらによるNatural testosterone Replacement療法では、むしろテストステロン(SHBH)が少ないことで前立腺がんになりやすい可能性を示唆しており、Dr.Morgentalerも同様にこの本でそれを訴えていることは興味深い。
高脂血症改善薬「リピトール」で記憶障害 2009/5/29

TOWNSEND LETTER 2009年7月号より                                         アメリカのFDAが公開管理している医薬品の副作用および安全性についての情報公開システム「MedWatch(http://www.fda.gov/medwatch/)に1997年から2007年までの11年間にLipitor(atorvastatin)を服用して健忘症や記憶障害を招いた症例報告が662例あったことが元米空軍医で現在はフロリダでクリニックを開業しているDuane Gravelin,MDらのグループの研究によってわかった。662例のうち399例は健忘症、263例は記憶障害であった。研究グループではリピトールをはじめとするStatin系の薬も同様の症例があるとみており、この原因としてGravelinらのグループはスタチン系薬のもつメバロン酸経路における作用が関与している可能性が高いと考えている。スタチン系薬はコレステロールの原料であるメバロン酸の合成に関わるHMG-CoA還元酵素を阻害する作用メカニズムを持っている。脳内の記憶野にあるシナプスが正常に機能するためにはコレステロールが必要であることは言うまでもないが、コレステロール分子は脳間門を通過するにはあまりにも大きいために、脳内のグリア細胞においてコレステロールの合成を行っている。この時のコレステロール合成メカニズムもメバロン酸経路で行われるが、グリア細胞におけるコレステロール合成が阻害されることによって記憶野シナプスの機能が低下するために健忘症および記憶障害を招くのではないかとRgavelinらは考えている。興味深いことに、MedWatchに報告された662例のなかで、健忘症や記憶障害の症例が増加しているのは2003年以降で、1997年から2001年におけるリピトールの平均処方量が15mg/日であったのに対して、2005年以降の平均処方量は22mg/日になっている。実際に症例報告を詳細にみていくと、健忘症や記憶障害の症状が現われはじめている患者の平均服用量が多いこともわかり、中には40mg/日を服用している患者もいた。リピトールをはじめとするスタチン系薬はコレステロールおよび中性脂肪改善薬として日本でもポピュラーに処方されている薬剤であるが、従来から報告されている副作用への注意喚起と同時に記憶障害などの症状に対しても注意を払う必要があるようだ。 

NIHによるキレーション療法の研究が中止に! 2008/9/29

9月26日アメリカのAP通信が明らかにしたところのよると、米国Medscape General Medicineがこの5月に公表した、NIH(国立衛生研究所)が実施しているEDTAを用いたキレーション療法の安全性と有効性を含む研究の即時中止を求める異例の長さのレポートに基づき、米国議会が正式な調査の動きをスタートしたことを報じた。この研究は2002年にアメリカ、カナダの100施設が参加し、冠動脈治療に対するキレーション療法の安全性と有効性を検討することを目的に3000万ドル約33憶円の巨費を投じられ、2009年までの7年間の予定で実施されているスタディーである。すでに1500人以上のボランティアが参加して行われていたこの研究に対しては、米国心臓学会をはじめとするコンベンショナルな西洋医学会からは疑問の声や反対が多かったが、その有効性には大きな期待が寄せられ、ACAM(The American College for Advancement in Medicine)に属するキレーションの専門医がアドバイザーとして行われており、来年にはその成果結果が報告されることになっていた。中心ドクターでもあったマイアミ大学のDr.gervasio Lamaesらは「われわれが行ってきた研究は患者の安全を第一に考え、人道的にも道徳的にも全く問題ない」とコメントしているが、タフツ大学麻酔医のDr.Kimball Atwoodらは「すでに死者が2名報告されており、実際にはキレーション療法によってもっと多くの死者が出ている可能性が高いことを考えると、国費を投じて行っているこのようなバカげた研究は即刻中止するべきだ」と反論している。

米国議会の中には2002年当時、今回の研究予算を決定し許可した経緯に疑問を示すメンバーもおり、また本研究中の事故や死者などの正式な数字の報告を求めているにも関わらず正式な回答がないことにも疑問を示している。

今回の問題は米国だけでなく、すでにヨーロッパにも一石を投じており、最近日本でもEDTAによるキレーションを行う医師が散見することから、今後動向には注視するべき内容だ。

EDTAによるキレーション療法の歴史はそれほど古いものではないが、私の知りうる限り専門教育を受け定期的なセミナーによってキレーションスキルを向上している医師によって、適切な検査とモニターを行う限り全く問題のない、むしろ薬剤療法や外科的療法に比べ安全かつ有効性の高い場合があることを付け加えておく。

詳細は以下サイト

TACT trial: http://www.chelationwatch.org/s/tact/index.html

National Center for Complementary and Alternative Medicine:http://www.chelationwatch.org/s/tact/index.html http://www.nccam.nih.gov/chelation

 Heart Association on chelation: http://tinyurl.com/yrq7bl

 Critics' report: http://www.medscape.com/viewarticle/570625

メタボリックタイプによって栄養素の必要量・食べる(飲む)時間が違う 2008/5/26

骨粗鬆症や骨軟化症ではカルシウムを、コレステロールが高い場合や血液循環を促進させるためにはビタミンB3(ナイアシン)とビタミンB6(ピリドキシン)を処方する。これは現代医療でも一般的に行われている選択肢の1つである。もちろん患者の血液や尿を用いた検査結果を参考にしながらであることは言うまでもない。しかし、人間にはメタボリック(代謝)のタイプがあり、1人1人そのタイプが異なるために、栄養素を用いた栄養療法でさえも、その人間のメタボリックタイプを考慮したアプローチをするべきであり、それによって改善の効率は格段に良くなる、こう説明するのは「メタボリックと栄養素」でも著名なDr.Roger J.Williamsである。

Dr.Williamsらの研究グループはメタボリックのタイプを細胞内におけるエネルギーの変換効率で分類し、栄養素を摂取してからエネルギーへの変換が早いタイプを「Fast Oxidizer」、遅いタイプを「Slow Oxidizer」、その中間を「Mixed OxidizerまたはBallanced Oxidizer」、これに交感神経優位のタイプ、副交感神経優位のタイプを加えて複合的にメタボリックタイプを3つに分類している。

分かりやすい言い方をすると・・

1、タンパク質タイプ:Fast Oxidizerまたは副交感神経優位のタイプ

このタイプは高タンパク質、高脂肪、高プリン体摂取が基本にあり炭水化物の摂取は低い

2、炭水化物タイプ:Slow Oxidizerまたは交感神経優位のタイプ

このタイプは高炭水化物、低タンパク質、低脂肪摂取が基本にある

3、ミックスタイプ:Fast Oxidizer・Slow Oxidizerまたは交感神経優位・副交感神経優位の混在タイプ

このタイプはタンパク質タイプ・炭水化物タイプの両者が混在

メタボリック(代謝)の仕方が異なるということは、血液や尿の検査によって栄養素の過不足を判断し、一律に栄養素を与えても、効果の程には差がでるということになる。

セレニウムの摂取が2型糖尿病のリスクを高める?? 調査内容に疑問あり! 2007/8/29

2007年8月21日付けの米国Annals of Internal Medicineで、セレニウムの長期服用が2型糖尿病のリスクを招くという発表がされたが、報告内容を十分に見るとこの報告内容には疑問の余地がないわけではない。

同誌に掲載発表された「Effects of Long-Term Selenium Supplementation on the Incidence of Type 2 Diabetes」は、1996年にClark LCらがJAMAでセレニウムの服用が皮膚がんの予防に有効であることを発表した「Effects of selenium supplementation for cancer prevention in patients with carcinoma of the skin」の研究でボランティアとして参加した1312名(平均年齢63歳)における追跡調査をベースとするレトロスペクティブな調査である。

1996年にClark LCらがJAMAで報告した研究内容では、皮膚の扁平上皮細胞癌を持つ1312名に1日あたり200μgの酵母セレニウムを4.5年間服用させたものだ。

プラセボグループとの比較を見ると、セレンを投与されたグループが皮膚がんに対しては何ら影響を及ぼす結果ではなかったが、がんによる死亡率は50%低下し、発生率では肺がんが46%、大腸がんが58%、前立腺がんが63%それぞれ低下しており、他のセレンとがんに関する研究報告の数値をほぼ一致している。

今回Stranges SらがAnnals of Internal Medicineで発表した報告は、数年にわたる長期間、1日あたり200μg以上のセレニウムを服用することで2型糖尿病のリスクが高くなるというものだ。

Stranges SらはClark LCらが1312名に行った研究に参加したボランティアのうち、2型糖尿病歴を持たない1202名に、その後7.7年間1日あたり200μgの酵母セレニウムを継続服用させた結果、50%近く2型糖尿病になるリスクが増したと報告しているが、この調査内容と結果をもってセレニウムが2型糖尿病リスクを高めると断定するのは尚早のように思える。

そもそも、この調査事態が1996年にClark LCらがデザインした研究をベースにしたレトロスペクティブなものであり、元来2型糖尿病の発生率を調査するようにデザインされたものではないということだ。

調査内容を詳細に見ると調査期間の7.7年間でセレニウムを継続し、かつ2型糖尿病を発症したのは全体の9.7%で、セレニウムを服用しなかったプラセボグループでは6.5%が2型糖尿病を発症している。この調査はあくまでも「仮説」から発生したものであり、元来、セレニウムの生み出す副作用的な仮説ではなく、結果に基づく仮説検証であって、統計学的な有意性を考えた場合には妥当な立証にはなり難いと言えるのではないか。

2つめの疑問はStranges SらとClark LCらが使用したセレニウムの素材にある。

彼らの研究調査で使用しているセレニウムは「酵母由来のセレニウム」である。酵母にはセレニウムが含まれていることは勿論だが、インスリンに影響を与えるミネラルの1つであるクロミウムなどのマクロミネラルが含まれてもいる。

特にクロミウムは動物・人間の数々の研究によってグルコース耐性因子であることがわかっており、インスリンの機能に対する影響があるにもかかわらず、この研究ではこの点に触れられていないだけでなく、何故酵母セレニウムを使用したのかにも触れられていない。

3つ目の疑問はプレセボグループに投与した「酵母イースト」である。なぜ、プラセボグループに「酵母イースト」を服用させたのかが不可解である。この研究報告の中ではその理由が明確になっていないだけでなく、この「酵母イースト」にセレニウムほか、マクロミネラルが含有されていなかったかどうかについても触れられていない。

結果としてこの研究調査報告には、セレニウムの長期投与が2型糖尿病のリスクを増大させるという帰結にいたるには根拠不足であるように思われる。

セレニウムについては、その毒性についても未だ研究が続けられていることも事実であるが、現在までの動物および人間による臨床研究の報告を見る限りでは、適切な摂取量を厳守した場合のメリットのほうが多いと考える。

参考文献

Clark LC, Combs GF, Turnbull BW, et al. Effects of selenium supplementation for cancer prevention in patients with carcinoma of the skin. JAMA 1996;276:1957-63.

Stranges S, Marshall JR, Natrajan R, et al. Effects of long-term selenium supplementation on the incidence of type 2 diabetes: a randomized trial. Ann Intern Med 2007; 147:217-23.

Held DD, Gonzalez-Vergara E, Goff HM. Isolation of a non-chromium insulin-enhancing factor from brewer’s yeast. Fed Proc 1984;43:472.

Hofbauer LC, Spitzweg C, Magerstadt RA, Heufelder AE, Selenium-induced thyroid dysfunction. Postgrad Med J 1997;73:103-104

Dr.ライトからの手紙−風邪とCOLD-Fx  2007/5/15
「風邪やインフルエンザを治すいちばんいい方法は?」とよく訊ねられる。 Dr.ライトはこう答えている。 「どれがいちばんとは言えませんが、効果が確かなオールスター的な治療法はいくつもあります」
このオールスターリストに、今年の風邪とインフルエンザに向けて新たな薬を追加しようと思っている。 COLD-fXというカナダでトップセールスを誇る風邪・インフルエンザ予防治療薬で、カナダでは医師の処方箋がなくても購入できる。 カナダでCOLD-fXを常用しているプロのアスリートたちはかなりの割合を占め、事実、2006年8月には、「アイスホッケーリーグおよびアイスホッケーリーグ選手協会の風邪・インフルエンザ公認治療薬」の銘を受けた。
それほどカナダで認知されているCOLD-fXだが、米国でこの薬を知る人はほとんどいないのではないだろうか。 カナダでは1990年代から販売されてきたにもかかわらずこの薬が米国にないのは行政上の理由から輸入できなかったことにある。 だが長年の手続きもようやく終わり、米国でもCOLD-fXを入手できる運びとなった。(これでわれわれ米国民も隣国民とおなじ恩恵を授かることができるようになると、私は確信している。)


COLD-fXの効果を証明する臨床研究はいくつもあるが、詳細に入る前に、私と妻の友人でありCOLD-fXの開発者であるPeter K.T. Pang,Ph.Dについて触れておきたい。

Dr.Pangはいわゆる変わり種だ。 イエール大学で博士号を取得した科学者で、エドモントンのアルバータ大学で生理学科の教授と学科長を務めた。 西洋仕込みのDr.Pangだが、同僚たちとは異して、ハーブが現代医療のひとつとして十分に貢献できることを認めていた。 そして最終的に、人類が何千年も頼りにしてきた治療法が有効であることを論理づけてしまったのである。
だがそんなDr.Pangにもある懸念があった。 自然食品店の棚にはハーブ製品がずらりと並んでいるものの、その質や効果を消費者が知る術がないのだ。そこで奮起したDr.PangはJacqueline Shan,Ph.Dや研究チームとともに高品質のハーブ製品を確実に製造できる方法の特許を取得すべく開発にのりだした。 後に、Dr.PangとDr.Shanはその方法を採用してくれる会社の設立を支援するようにもなった。

1990年代を通して、Dr.Pangはタホマ・クリニックを度々訪れては医師たちのためにハーブ製品の品質について講義してくれた。Dr.Pangの製造方法はこうだ。まず、生物学的作用が最も高い植物成分を同定する。 次に、植物や植物成分がすべて等分になるよう分配する。 そして最後に、分配されたひとつひとつに問題がないかテストするのである。

惜しいことに、Dr.Pangは2005年に交通事故により帰らぬ人となってしまったが、高品質の信頼できるハーブ製品を確実に消費者に届けるという博士が残した遺産は今なお健在だ。そしてそのひとつがCOLD-fXなのである。

COLD-fXはアメリカニンジン(Panax quinquefolius)を抽出して作られる。 主要成分はアメリカニンジンと多糖類で、アメリカニンジンには免疫力を強化し、マクロファージとナチュラルキラー細胞(以下、NK細胞とする)を活性化させてその数を増やす働きがある。


ナノ粒子銀など、病原菌を退治してくれる製品はたくさんあるが、COLD-fXはそれらとはアプローチが異なる。 病原菌を攻撃するのではなく、からだに本来備わっている免疫機能を高めることで病原菌を退治し、感染した細胞を排除するのである。

COLD-fXの動物実験において、マウス脾臓B細胞増殖の増加およびマクロファージが生成放出するインターロイキン1、腫瘍壊死因子、インターロイキン6の増加を確認。 よって、マウス脾臓リンパ球のインターロイキン2とガンマインタフェーロンの生成が促進された。 ヒトの血液培養液におけるインフルエンザウイルス試験においても、COLD-fXはNK細胞を16倍に増加。 インフルエンザ抗原に特異に働きかけるヘルパー細胞(CD4)と抑制細胞(CD8)も増加した。)

COLD-fXの初めての研究試験は、1997年〜1998年と1998年〜1999年にかけて、エドモントン・オイラーズのホッケー選手を対象に行なわれた。 小規模、非盲検の研究試験であったが、結果はじゅうぶん満足のいくものだった。 COLD-fXを摂取した選手の大多数が、風邪およびインフルエンザに罹りにくくなり、罹りはじめの症状が出ても長く続かなかったと報告してきたのである。

免疫反応を調べてみると、COLD-fXを摂取した選手たちは、摂取していない選手たちに比べて顕著な改善があった。その試験から間もなく、イースタンバージニア・メディカルスクールの研究者たちが、インフルエンザ蔓延期における急性呼吸器疾患の予防効果を調査するため、老人ホームや老人介護施設など3つの施設においてCOLD-fXの二重盲検プラセボ対照試験を実施した。

平均年齢81歳〜83歳の男女198人を対象とし(内、90%近くがインフルエンザの予防接種を受けていた)、COLD-fXを200mgもしくはプラセボを1日2回投与した。結果、COLD-fXを投与した集団(以下、COLD-fX群とする)のインフルエンザ発症率は1%以下(97人中1人)だったのに対し、プラセボを投与した集団(以下、プラセボ群とする)の発症率は7%(101人中7人)。 プラセボ群の内2名が非インフルエンザ性の急性呼吸器疾患を発症したのに対し、COLD-fX群での発症はゼロだった。 概して、COLD-fX群のインフルエンザおよび急性呼吸器疾患の発症率は89%減少した。副作用はどちらの集団にも見られなかった。

2005年、COLD-fXの新たな研究結果が『Canadian Medical Association Journal』誌に発表された。 前年に2回以上風邪をひいた18歳〜65歳の323人を対象とし、無作為二重盲検プラセボ対照試験を実施。一方の集団はCOLD-fXのカプセル(200mg)を1日2回摂取、もう一方の集団はプラセボを摂取した。

4カ月間の試験中、2回以上風邪に罹った参加者はCOLD-fX 群では10%であったのに対し、プラセボ群では22.8%だった。 風邪発症者の症状指標スコアは77.5 対112.3でCOLD-fX群が軽く、罹患日数も10.8日対 16.5日と短期化が見られた。
さらに今年のはじめ、『代替補完医療ジャーナル(JACM)』誌がCOLD-fXの効果を証明する2度目の無作為二重盲検プラセボ対照試験の結果を発表した。4ヵ月間のこの調査には、65歳以上の43人が参加した。 参加者は2つの集団に分けられ、COLD-fXのカプセル(200mg)もしくはプラセボを1日2回摂取。30日後、参加者全員がインフルエンザ予防注射を接種した。

調査開始から2カ月間は2つの集団に大差は見られなかったが、その次の2カ月間には急性呼吸器疾患の発症率がCOLD-fX 群の32%に対しプラセボ群では62%と、顕著な減少が見られるようになった。 発症期間もCOLD-fX 群の5.6 日に対しプラセボ群では12.6日と明らかに短期化した。 インフルエンザの発症は両群ともになかった。

4カ月の調査を終えて、研究者たちは次のように報告した。 「免疫適格な年配者がインフルエンザ流行期に先駆けてcold-fXを摂取した場合、相対リスクが48%、呼吸器症状が55%減少する。よってCOLD-fXの常用は、健康な年配者の急性呼吸器疾患を予防する安全かつ自然な治療方法となり得る」

COLD-fXは100パーセント安全だ。 単回投与の急性試験において通常使用量の500倍を投与したが顕著な副作用は見られなかった。 さらに30日間に渡る過量摂取試験では、通常摂取量の25倍量を毎日摂取したが、顕著な副作用は見られなかった。 だからといって自宅でそれを試してみる必要はない。やはり適量をお奨めしたい。

では、適量とはいかほどなのか? 風邪やインフルエンザの予防には1カプセルを1日2回摂取、すでに風邪に罹っている場合には3日間の集中摂取をするよう製造者は奨めている。 集中摂取する場合は1日目に3カプセルを3回、2日目に2カプセルを3回、3日目に1カプセルを3回摂る。

ACE阻害剤の代替にビタミンDを使う  2007/2/7

従来の疫学的な統計では、熱帯の地方の高血圧患者が極地方よりも少なく、高血圧の患者数がすべての人種で赤道より遠くなるにつれて上昇することを長年の間示しています。 栄養療法の世界では、長年これらの理由の背景にはビタミンDがあると考えられています。これを裏付ける研究が2002年のJournal of Clinical Investigation誌で発表され、ビタミンDがどのように血圧を下げる作用を持つのかについて詳しく報告されています。

この研究によると、適切量のビタミンDがなければ人の遺伝子の一部がレニン分子を余分に作り始めます。レニンはアンギオテンシノゲンと呼ばれる分子に分解され更にアンギオテンシンTに分解されます。アンギオテンシンTはアンギオテンシン変換酵素(ACE)によってアンジオテンシンIIに変換されます。このアンギオテンシンIIが高血圧を引き起こすメカニズムは周知のとおりで、現在汎用的に処方されている降血圧剤がACE抑制剤とアンギオテンシンII受容体障害剤(ARBs)である背景がここにあります。

研究によれば、活性型のビタミンDはレニンの生産が不活性になるように遺伝子を制御し、余剰なレニン生産が抑制されることによって、アンギオテンシンTなどのような中間産物が抑えられ、結果として余計なアンジオテンシンIIの生産が抑制され血圧上昇を抑えることができるということです。

また、他の研究では、高ビタミンD血中濃度と血圧の低下には関連があること示し、ビタミンDが血中レニン、アンギオテンシンII、および血圧を減少させたという報告があります。

米国で栄養療法を行う医師の中には高血圧の患者にビタミンDを処方する医師が少なくありませんが、顕著な変化が起きるまでには2-3カ月かかり、ビタミンDが完全に効き始めるには6-8カ月かかると言われています。

一方でビタミンDの過剰摂取による中毒という問題があります。最近の研究では安全なビタミンDの上限を再評価しています。多くの医師が現在、1日当たり10000IUを上限として評価していますが、摂取量以上に患者の血中ビタミンDのモニタリングが重要になり、摂取量は血清レベルでおよその60ng/mlを維持できる量を考慮することが望まれています。

本態性高血圧と診断された患者の中には、インスリン抵抗性または水銀、鉛などの重金属の蓄積が背景にあることが少なくありません。事実、米国の栄養療法医師で、本態性高血圧と診断された患者インスリン抵抗性および爪や毛髪による体内重金属分析を実施する医師は少なくありません。

参考文献

Rostand SG. Ultraviolet light may contribute to geographic and racial blood pressure differences. Hypertension. 1997;30(2 Pt 1):150-156.

Krause R, Buhring M, Hopfenmuller W, Holick MF, Sharma AM. Ultraviolet B and blood pressure. Lancet. 1998;352(9129):709-710.

Pfeifer M, Begerow B, Minne HW, Nachtigall D, Hansen C. Effects of a short-term vitamin D(3) and calcium supplementation on blood pressure and parathyroid hormone levels in elderly women. J Clin Endocrinol Metab. 2001;86(4):1633-1637.

Pan WH, Wang CY, Li LA, Kao LS, Yeh SH. No significant effect of calcium and vitamin D supplementation on blood pressure and calcium metabolism in elderly Chinese. Chin J Physiol. 1993;36(2):85-94.

Scragg R, Khaw KT, Murphy S. Effect of winter oral vitamin D3 supplementation on cardiovascular risk factors in elderly adults. Eur J Clin Nutr. 1995;49(9):640-646.

Vieth R, Chan PC, MacFarlane GD. Efficacy and safety of vitamin D3 intake exceeding the lowest observed adverse effect level. Am J Clin Nutr. 2001;73(2):288-294.

Heaney RP, Davies KM, Chen TC, Holick MF, Barger-Lux MJ. Human serum 25-hydroxycholecalciferol response to extended oral dosing with cholecalciferol. Am J Clin Nutr. 2003;77(1):204-210.

Vitamin D. Natural Medicines Comprehensive Database [Web site]. March 1, 2004. Available at: www.naturaldatabase.com. Accessed March 1, 2004.

Hendler SS, Rorvik DR, eds. PDR for Nutritional Supplements. Montvale: Medical Economics Company, Inc; 2001.

更年期関連症状にBlack CohoshとSt.Johns Wortのコンビネーション投与が効果的!

Uebelhack R, Blohmer JU, Graubaum HJ, et al. Black cohosh and St. Johns wort for climacteric complaints: A randomized trial. Obstet Gynecol 2006;107:24755.
1、方法

Wブラインド、ランダムプラセボ法によって行われた本研究では、45−60歳までの閉経前後の諸症状、特にうつ状態で悩む301名の女性を対象にして行われた。この301名は、閉経前後の諸症状を少なくとも3ヶ月以上かかえ、2ヶ月以上治療を受けていないこと。また、MRS(Menopause Rating Scale)スコアが0.4以上、HAM-D( Hamilton Depression Rating Scale)の総スコアが15から23ポイントであることが条件であった。16週間にわたってBlack cohoshとSt. Johns wortを併用投与し、8週目および16週目におけるMRSおよびHAM-Dの各スコアの変化を観察した。

1日あたり2回、Black cohosh(イソプロパノール抽出Cimicifuga racemosa)とSt. Johns wort(エタノール抽出)を2錠づつ8週間服用させ、その後の9−16週目まではフォローのために1日あたり2回1錠を服用させた。Black cohosh1錠には1mgのトリテルペングリコシドを含むBlack cohoshエキスと、St. Johns wort1錠には0.25mgのヒペリシンを含むSt. Johns wortエキスが配合されていた。


2、結果

16週間の継続してBlack cohoshとSt. Johns wortを併用服用した294名(5名は途中で ドロップアウト)の服用開始前後のMRSおよびHAM-Dの各スコアの改善率を集計したところ、MRSスコアについては8週目で34.8%、16週目では50.0%の改善が認められ、プラセボグループの8週目で21.7%、16週目では19.6%との比較でも有意な差が見られた。

具体的な症状での比較では、顔の紅潮を持つグループでは16週目で53.4%の女性の症状が改善をしており、プラセボグループで顔の紅潮を持つ女性が16週目で25.4%の改善を見たことと比較しても有意な差が見られた。

顔の紅潮をうったえる閉経前後の女性に対しては、しばしば低容量のSSRIを処方することが知られているが、期待するほどの効果に至っていないが、Black cohoshとSt. Johns wortを併用することで有意な改善効果が現われている。
3、使用方法
このように効果のあるBlack cohoshとSt. Johns wortではあるが、これらのハーブを使用するに際しては患者の背景を十分考慮して処方することが重要である。特にSt. Johns wortについては、現在処方されている薬剤との作用関係は抑えておく必要があり、1日あたりの上限は900mgを超えないように低量から段階的に増量することが大切である。

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